エピローグ “名もない話”

これは、誰も知らない話。

白き時を越えてしまった者には知りようもない、
まっさらな世界の話である。


とある世界の、時空ごと崩壊した“地球”は
一度は崩れたが、それは表面だけであった。
荒らされた空間は歪み、乱れ、
何もかもを飲み込む渦のようになった。

殻の破れた“地球”という惑星は
地下深くの、まだ人間の見つけていなかった
燃えるように熱いエネルギーで
崩壊し歪んだ時空を吸い寄せ、
自分のものにした。

結果、時空は安定し、
その惑星には


新しい生命が芽吹いた。

そうなるまでに、
どれほどの時が掛かったのかは分からない。

そこに、どんな生物がいるのか、
誰も知らない。

しかし、生きている。
その世界の地球は……滅亡しなかったのだ。


これは、誰も知らない話。
地球は……白き時を超えて、再生した――。

これほどまでに大きな惑星を
人間が壊すことなど……出来るはずがなかったのだ。

この地球は今も、
その地に生きる生命を、
優しく、暖かく見守っている。


そんな地球が存在するのなら、もしかしたら。
あなたの知る惑星にも、
まだ、未知なる力があるのかもしれない。

例えば、時丘 華菜が元いた世界。
もしくは……。

…………。



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  • 最終更新:2012-04-11 09:25:54

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