闇鍋。

某さんと「自分の創作物がメディアミクスされる、
  ちょっと痛い夢を見ちゃう事ってありますよね」という話をしていました。

某さん「自分の作ったお話が、実写映画化」
夏野 「大丈夫です。私はドラマCD化」


という訳でドラマCDネタの鉄板中の鉄板、
闇鍋ネタ(台詞オンリー)をジョークで書いてみました。
こんなオバカネタも楽しいですね。


闇鍋。

綾  「じゃじゃーん! みんなでお鍋、やりませんか?」

華菜 「カセットコンロに……土鍋? それ、どっから持ってきたの?」

綾  「茂さ……空山さんの部屋にありましたぁー!!」

千春 「かせっとこんろ? どなべ??」

柊  「よく、そんなものが出てきたな」

綾  「なんかー、お掃除してたら出てきたんですよ」


SE キーボードを叩く音


千秋 「お掃除して出てくるものかなぁ、それ」

空山 「俺の旧時代コレクションだよ!」

千春 「……そんなのやってたの? てか、かせっとこんろって何?」

柊  「知らんのか」

千秋 「ざっくり言うと持ち運び可能なガスレンジだね」

空山 「いくらなんでも、ざっくり言い過ぎだろ、それは」

柊  「電池とガスボンベが無いとただのガラクタだと思うが……」

空山 「ガラクタとか言うな! あるよどっちも!!」

華菜 「……ガスボンベの中身、大丈夫なんですか?」

空山 「問題ない! 新品だ!!」

柊  「電池は」

空山 「問題ない! 新品だ!!」

華菜 「へぇー、2020年の電池って、私たちが知ってるのと似たり寄ったりなんだね」

綾  「うん、私もびっくりした」

千春 「ようするに、どこでも使えるガスレンジと
    でっかい鍋がここにあると。それで鍋をやろうってこと?」

千秋 「とはいえ、古いものを使うときは自己責任だけどねー」

綾  「そういうことです」

千春 「なんでここで?」

綾  「みんなでできるかなー、って」

千秋 「精密機械の多い部屋で何を企んでるですかぁ」

華菜 「千秋さん、楽しそう……」

千秋 「そんなわけないですよー。困りますよー」

柊  「そうだ、別の部屋でやった方がいい」

千春 「よし、やろう」

柊  「……俺と千秋の話を聞いていたか?」

千春 「決定~」

柊  「おい……」

千秋 「あらあら、困りましたねー」


SE カセットコンロを置いたり、皿を並べたりする音


空山 「……食材切ってきたぞー」

千春 「無駄にうまいな」

空山 「無駄とか言うなよ。綾ちゃんだって手伝ってくれたんだぞ」

華菜 「ちょ……」

空山 「どうした? 華菜ちゃん」

華菜(小声) 「あ、綾が手伝ったのって、どのくらいですか?」

空山 「ん? 最初はちょっと一緒にやってみて、
    俺がやる方が効率が良かったから、
    あとは皿に移してもらったりしただけだけど?」

華菜(小声) 「それってつまり、綾が切った食材も
        この中に混ざってるって事ですか?」

空山 「そうだけど?」

華菜(小声) 「それ、大問題です……」

空山 「……へ?」


華菜(小声) 「綾が料理に関わると、なぜかろくなことが起こらないんです。
        どうしてだかわからないけど、
        最悪の場合、食べた人が倒れちゃうことも……」


空山(小声) 「えぇぇぇぇ!? そんなに!?」

千秋 「綾ちゃんのお茶は大丈夫だったんだけどねぇ」

空山 「うわっ、ちあちゃん、いつからそこに!?」

千秋 「最初から」

空山 「仕事は?」

千秋 「なんとなく自分の立ち位置を悟った柊くんが代わってくれました」

華菜 「空山さん、綾に“手伝って”って言いました?」

空山 「うん、言ったけど?」

華菜 「やっぱり……」

空山 「え?」

華菜 「綾、いちおう、自分の謎体質を理解してるから
    頼まない限り、料理には関わらないんですよ……」

空山 「えぇぇぇ!?」

千秋 「困ったことになりましたねぇ」

華菜 「面白がってないで対策を考えないとっ!!」


千春(遠くから) 「なぁ、次は何を並べるのー?」


千秋 「姉さんが準備を終えてしまったようです。
    あとは食材を投入するだけですね」

華菜 「それが問題なんですって!!」

千秋 「良い方法があるよう」

華菜 「どんな方法ですか!?」

千秋 「いっそ闇鍋にしちゃうんだよ」

華菜 「やみ……なべ……」

空山 「ろくでもないことをサラリと言うなぁ……」

千秋 「みんながカオスな食材を持ち寄れば、
    どんな悲劇が起こっても綾ちゃんのせいにはならないよう」

空山 「悲劇が起こるのを前提にするなよ」

華菜 「前提にしてもいいと思います……」



華菜(ナレーション) 「こうして、普通のお鍋の予定は、
            千秋さんの機転で急遽闇鍋に変更されました」


SE 鍋の具材が煮える音


千秋 「さて! みんな、何を持ってきたのかな!?」

千春 「千秋が何でもいいって言うから、レモン持ってきたけど……」

空山 「なんでレモン!?」

千春 「給湯室にあったから」

空山 「手近すぎるだろ!! もっと鍋っぽいのもってこいよ!
    つーかそれ、俺のレモンティー用じゃん!」

千春 「え? 鍋っぽくないものを持ってきた方がいいって千秋が……」

空山 「変な入れ知恵しないでよちあちゃん!!」

千秋 「ふっふふ~」

千春 「? なんかよく分からないけど、交代で柊呼んでくるね?」

千秋 「お願い~」

華菜 「わ……私は普通に、大根持ってきました……」

空山 「お…おおぅ。普通だな」

華菜 「お漬け物ですけど」

空山 「それってたくあんだよね!? 大根って言わないよね!?」

華菜 「綾は私が守らないと……」

柊  「普通に見せかけて普通ではない、というささやかな気遣いだな」

空山 「お前は何を持ってきたんだよ!」

柊  「冷や飯だ」

千秋 「おおう、さすが。食べ終わった鍋に投入して
    最後の一滴まで無駄にしないということですね」

柊  「ああ」

空山 「一見まともだけど、それもひどくねぇ!?」

柊  「茂が全部食うのだから問題ない」

空山 「ナンデ!?」

華菜 「まぁー…全ての元凶ですし」

空山 「元凶とか言わないで!?」

千春 「何の話?」

空山 「何でもないッス!!」

千秋 「こんな状況になっても、
    なにも気づかない姉さんの天然っぷりも流石だねぇ」

空山 「もういいや!! 次は誰!?」

綾  「わ…私は自粛します……」

千秋 「健気っ!!」

華菜 「…その手に持ってるリンゴは?」

綾  「デザートだから…。入れないから……」

華菜 「鍋のデザートがリンゴ?」

綾  「お、おかしいかなぁ?」

華菜 「い、いや……いいけど。生き残ってる人がいたら」

綾  「な、なんか…ごめんね?」

千秋 「細かいことは気にしなーい。
    てか、姉さんがレモン持って来ちゃったんだし、
    それも入れちゃおうよ。フルーティな感じになっていいかもよ?」

華菜 「良くないと思います!!」

千秋 「私も果物だし」

華菜 「ちょ!!」

千秋 「梨だけど」

空山  「こ……これが真の気遣い……!?」

柊  「確かに、鍋に投入してしまえば
    リンゴと梨の区別は付かないかもしれない……が…」

華菜 「うわぁぁぁ、どうしよう……」

綾  「やめるっていう選択肢はないんでしょうか……。
    言い出しっぺの私が言うのもおかしいですけど……」

千秋 「ないなーい。みんなで鍋を囲むのが楽しみ~。
    空山くんは何にしたの?」

空山 「……大量のパセリの粉末」

華菜 「え!?」

柊  「普通ではないと見せかけて意外とまともだな」

千秋 「鍋に入れるなんて聞いたこと無いけどね~」

空山 「や、闇鍋をやる以上…それっぽい物を持ってこないと駄目だろ」

華菜 「変なところだけノリノリにならないでください~」

千秋 「全員分揃ったねー! 柊君の冷やご飯以外、投下~」

華菜 「わぁぁぁぁっ!」

綾  「ごめんなさいぃ~」


SE 食材を鍋に入れる音

SE 食材が煮える音


千春 「へぇ~、これが闇鍋か~」


SE キーボードを叩く音


柊  「思ったより良い匂いだな」

千秋 「そこ安全地帯じゃないからね~、
    しっかり持っていくからね~」

柊  「!」

華菜 「……ごめんなさい…。柊さんが食べるときは私も傍に行きます……」

柊  「い、いや……」

華菜 「先に空山さんに言わなかった私も悪いし……」

綾  「そ、そんな事言ったら、
    頼まれたらつい手伝っちゃう私が一番悪いしっ!!」

華菜 「そうだよ!! できないことはちゃんと断りなよ!!」

綾  「つい身体が動いちゃうんだもん!!」

千春 「なんかよく分からんけど、
    綾ちゃんってすごいええ子だね~」

千秋 「ほんとにね~」

華菜 「なんで他人事なんですかぁぁぁ!!」


ナレーション(華菜) 「そして、運命の時……!」


全員 「いただきまーす」

綾  「中井 綾!! 毒味いきますっ!!」

空山 「えええ!?」

綾  「味の毒味しかできませんけど!」

千秋 「なんかすごい光景だねぇ」

千春 「リンゴと梨を回避すれば問題ないじゃん」

華菜(小声) 「あ、そうか…千春さんは綾が切った食材が
        混ざってるの、知らないんだっけ……」

綾  「んぐ、んぐ……あれ? お、おいしい……?」

柊  「不味い物が煮えている匂いではなかった」

綾  「鍋っぽくないけど……なんか、フルーツ同士が調和して…る?」

千秋 「水炊きだからね~」

華菜(小声) 「だしに昆布入れたような気がしますけど」

空山 「レモンとパセリが勝ったのかもしれないな」

華菜 「どういう鍋ですか……」

千秋 「じゃあ、味には問題ないってことで~、食べましょっ!
    いっただきま~!!」

華菜 「あああ千秋さん、そんな何の躊躇いもなくリンゴを取るなんて…」

千秋 「梨かもしれないよー? スリリングだねぇ」

千春 「レモン出汁に浸かった芋が意外と美味しい。
    ん~、なんかあったかいフルーツジュースみたい」

華菜 「わ、私のたくあん、どうなったかな……。
    ……あれ? なんか味が抜けてる?」

空山 「出汁になったんだな」

千秋 「華菜ちゃ~ん、柊くんに出す食材選ぼ?」

華菜 「は、はい……」


ナレーション(華菜) 「奇跡です。奇跡が起こっています。
            綾の触れたものを食べているのに、
            悲劇が起こる気配がありません」


SE 皿を置く音


華菜 「どうぞ、柊さん」

柊  「うむ……頂く」

華菜 「……大丈夫ですか?」

柊  「鍋の味ではないが、普通に美味い」

華菜 「一体、どういうことなんでしょう……」

柊  「いいのではないか? 何も起こらないなら、それが一番」

華菜 「そうなんですけど……」


SE 手を叩く音


千秋 「それじゃ、冷やご飯投下の時間ですねー」

空山 「本当に全部俺が食うの?」

綾  「私……まだ食べれます、よ…?」

千秋 「いいのいいの~」

千春 「でも私、このおかゆちょっと興味ある」

千秋 「姉さん、おかゆじゃなくて“おじや”ね」

綾  「あああ、千春さんが何の躊躇いもなくよそってるし…!!」

華菜 「お鍋の味が、意外と平気だったもんね……」

千春 「う、これは……」

空山 「どうした?」

千春 「……やめた方がいいかもしんない」

千秋 「うぇ?」

千春 「果物だしと米の味が相性悪い」

空山 「柊め……」

綾  「食べれないこと無いけど、確かに微妙……」

千秋 「ミラクルの連鎖がここで止まってしまいましたね~」

華菜 「あれ? 千秋さん、もしかして何か企んでました?」

千秋 「いえ、別に何も~」

華菜 「説明してください」

千秋 「企んでないのはホントだよ~。
    チームプレイがうまくいっただけ」

華菜 「チーム…プレイ?」

千秋 「姉さんがレモンだったでしょ、
    空山くんがパセリだったでしょ?
    それ、ジュースに使える組み合わせ」

華菜 「そうなんですか!?」

千秋 「華菜ちゃんのたくあんは大根だから
    闇鍋としてはインパクトが弱い」

華菜 「は、はぁ……」

千秋 「私の梨と綾ちゃんのリンゴは、
    運良くフルーツジュースならぬフルーツ鍋になったんだよ」

華菜 「けっこう凄いこと起こってますよね!?」

千秋 「成功するとは限らないけど、今回は成功したね」

華菜 「やっぱりミラクルじゃないですかっ!!」

綾  「うう、皆さん……私のためにそこまで…」

千秋 「みんな気が合ってただけだよ~、
    誰が何を持ってくるかは分からなかったし」

千春 「この鍋がそんな暗黒企画だとは知らなかった」

千秋 「で、柊くんだけ空気読めてなかったみたいだね」

柊  「すまん」

千春 「ブランク4年はきついねー」

柊  「……すまん」

千秋 「でも、無事無害な鍋になったことだし」

空山 「後味は微妙だけどな」

華菜 「こっ、これからはみんなのチームワークを高めていきましょう!」

千秋 「そだね~」

千春 「良いこと言うねぇ」

柊  「異論はない」

空山 「ふぁんへい(賛成)」

綾  「なんか……すみませんでした…。でも楽しかったです」


ナレーション(華菜) 「こうして、闇鍋事件は平和的に解決されたのでした。
            おじやも、お腹一杯になるまで全員で食べました。
            みんなが無事で、良かったです」


空山 「あの……これ、食っても食っても食い終わらないんだけど…」

綾  「頑張って食べましょう! 私、慣れてきましたっ!」

空山 「すげーな!?」

千春 「綾ちゃん、アレ、アレ」

綾  「へ? なんですか?」

千春 「オンナの必殺技があるっしょ」

綾  「えぇっと……そんな恥ずかしいジェスチャーをされても…」

千春 「さぁガンバレ!!」

千秋 「みんなお腹一杯! 頼れるのは綾ちゃんと空山くんだけよ!」

空山 「格好いいこと言ってごまかすなよ!!」

綾  「あ、あの……」

空山 「うん? なんだい?」

綾  「し、し、し、しげるさんっ!」

空山 「な、な、な……」

綾  「はい、あ~ん☆」

空山 「…………!!!」

綾  「あーっ、恥ずかしーっ!!」


SE 人が倒れる音


華菜 「……へ?」

綾  「えぇっ!? 大丈夫ですか!? 空山さん! 空山さーん!!」


ナレーション(華菜) 「気が付いた空山さん曰く、
            あの時の綾が可愛すぎて卒倒してしまったそうです……。……はぁ」


おしまい


  • 最終更新:2012-05-17 14:38:35

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード